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「罪悪感のループ」――休暇を取っても休んだ気になれない理由

原文:The Guilt Loop: Why Time Off Doesn't Always Feel Like Time Off

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最後に「本当に仕事から離れて休んだ日」のことを思い出してみてください。パソコンを閉じ、スマートフォンを別の部屋に置いて、「これくらい休んでもいい」と自分に言い聞かせたかもしれません。ところが午前10時ごろになると、結局メールを開いてしまう。「ちょっと確認するだけ」「念のため」。気づけばメールやチャットに返信し、プレゼン資料を確認して、せっかくの「休みの日」に1時間も仕事をしていた――そんな経験はないでしょうか。

罪悪感を抱きながら、ほんの少し受信トレイをのぞいてしまう。これは個人の問題ではありません。多くの働く人に共通して見られるパターンであり、組織としても見過ごすことのできない問題です。

Wiley Workplace Intelligenceは今回、1,591名を対象に、PTO(有給休暇)の取得状況、ストレス、バーンアウト(燃え尽き症候群)について調査しました。その結果から見えてきたのが、私たちが「罪悪感のループ(guilt loop)」と呼ぶ現象です。これは、本来取得できるはずの休暇を取らず、ようやく休暇を取っても、結局仕事から完全には離れられない――こうした状態が繰り返されることを指します。過去1年間に、取得可能なPTOの4分の1未満しか利用しなかった従業員は34%にのぼりました。休みたくないわけではありません。休暇が始まる前から、何かが仕事へと引き戻しているのです。

では、何がこのループを回し続け、何がそれを断ち切るのでしょうか。調査データからは、相互に作用する3つの要因と、組織の休暇に対する考え方そのものを変える可能性のある、ある重要な発見が見えてきました。

罪悪感を抱く人は、決して少なくない

まず、この問題がどの程度広がっているのかを見てみましょう。従業員の10人に6人が、程度の差はあるものの、休暇を取ることに罪悪感を抱いています。その頻度は「時々」から「休暇を取るたびに」までさまざまですが、26%は「しばしば」または「いつも」罪悪感を感じると回答しています。一方、「まったく感じない」と回答した人は、わずか5人に1人でした。

従業員の10人に6人が、休暇を取ることに罪悪感を感じている

つまり、休暇を取る際に罪悪感を抱くことは、決して例外的なことではありません。多くの働く人にとって、それは休暇につきまとう感情になっているのです。

大切なのは休暇の日数ではなく、本当に仕事から離れられるか

ここで、この問題の捉え方を大きく変える調査結果があります。仕事から離れることの難しさとより強くい関係を示していたのは、休暇の取得量ではなく、休暇を取ることへの罪悪感でした。従業員の18%が、仕事から心理的に離れることを「非常に難しい」または「極めて難しい」と回答しています。そして、その難しさと関連していたのは、取得した休暇の日数ではなく、罪悪感でした。

18%が、仕事から離れることを「非常に難しい」または「極めて難しい」と回答

言い換えれば、取得できる休暇をすべて使ったとしても、実際には仕事から離れられないまま、ということもあり得ます。問題なのは、カレンダー上で何日休んだかではありません。休んでいるときに、本当に仕事から離れられるかどうかなのです。

業務量が「罪悪感のループ」を回し続ける

そもそも、なぜ休暇を取らないのか。その理由を尋ねると、業務量が他を大きく引き離して最多となっています。42%が休暇の取得を控える理由として業務量を挙げており、部下を持つ人ではその割合は47%に上昇します。休みたいと思っても、その間、仕事まで止まってくれるわけではありません。まさにこの現実が、休暇の取得をためらわせているのです。

取得可能な休暇を利用しない理由として、最も多く挙げられたのは「業務量」

そのほか、「チームへの影響が心配」(35%)、「仕事に遅れをとることへの不安」(33%)も上位に挙げられています。しかし、これらも実質的には、形を変えて現れた業務量の問題です。休暇に入る前に業務そのものを減らしたり、誰かがカバーできる体制を整えたりしなければ、いくら「休暇を取ってください」と促しても、実際の休暇取得にはつながりません。

「罪悪感のループ」の影響はマネジャーにより強く表れ、そこでとどまらない

マネジャーは、この「罪悪感のループ」の影響をより強く受けています。部下を持つマネジャーの22%が、仕事から離れることを「非常に難しい」または「極めて難しい」と回答しており、これは部下を持たない従業員の12%と比べて2倍近い割合です。また、部下から見て、マネジャーが「非常に」または「極めて」強いストレスを抱えているように見える場合、その部下自身が感じるストレスも、10段階評価で1.3ポイント高くなっています。

部下を持つマネジャーの22%が、仕事から離れることが難しいと回答

これは、以前の調査でも見られたパターンです。マネジャーが抱えたままのストレスは、本人だけの問題にとどまりません。組織の階層を下へと伝わり、部下のストレスにも表れます。仕事から完全に離れることのできないマネジャーが向き合っているのは、自身のバーンアウトのリスクだけではありません。チーム全体の感情的な雰囲気にも影響を与えているのです。

組織に求められること

「罪悪感のループ」は、自然に断ち切れるものではありません。また、単に「休暇を取ってください」と呼びかけるだけでは、そもそもなぜ休暇を取れないのかという問題は解決しません。必要なのは、次の3つです。

マネジャー自身が行動で示すことが重要です。

組織文化やマネジャーからの期待が、休暇取得を妨げる要因として挙げられているということは、リーダーが意図しているかどうかにかかわらず、その目に見える行動が組織の当たり前をつくっているということです。

休暇を取る許可を与えるだけでなく、その前に業務負荷を軽減する必要があります。

業務を減らすこと、不在時のカバー体制を整えること、役割を明確にすることが、休暇取得をためらう根本的な理由への対応になります。

心理的安全性は、安心して発言できる環境をつくるのと同じように、安心して休み、回復するためにも重要です。

不安を感じることなく仕事から離れられる環境と、不安を感じることなく懸念を口にできる環境には、同じ条件が必要です。その根底にあるものは同じであり、異なる場面で表れているのです。

新たなウェルネス施策を追加したり、休暇を取るよう繰り返し呼びかけたりするだけでは、こうした問題は解決しません。業務負荷が実際に軽減され、リーダー自身が仕事から離れる姿を示し、休暇から戻ってきてもチームや自分の立場が損なわれることはないと信じられるとき、「罪悪感のループ」は断ち切られます。

これを実現できる組織では、単に休暇を取得する人が増えるだけではありません。休んでいる間は本当に休み、仕事をしているときには力を十分に発揮できるようになります。それこそが、これまで欠けていたものなのです。

原文:The Guilt Loop: Why Time Off Doesn’t Always Feel Like Time Off
執筆: Janelle Beck, Senior Copy Editor & Tracey Carney EdD, Research Manager
出典:WILEY Workplace Intelligence|Everything DiSC®(2026年8月21日公開)

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2026年09月02日

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