DiSC®︎を活用した組織風土改革、 リーダー育成,心理的安全性を高める組織開発ならHRD

心の報酬:給与を超えた満足

原文:The Emotional Paycheck: Going Beyond Traditional Compensation

記事をシェアする

働く時間の3分の1を費やす仕事において、給与だけが従業員の満足度を左右する時代は終わりを告げました。現代の従業員は、経済的安定だけでなく、ワークライフバランス、柔軟な働き方、そして心理的安全性の高い職場など、多様な「心の報酬」を求めています。

米国Wiley社が2,013名を対象に行った調査からは、この「心の報酬」の重要性が浮き彫りになりました。特に注目すべきは、世代によって優先順位が異なる点です。若年層は「勤務時間の柔軟性」を重視する一方で、多くの世代が「ポジティブな組織文化」を最も重要な要素として挙げています。

本記事では、この調査結果を深掘りし、「心の報酬」を構成する要素、そしてポジティブな組織文化が従業員のエンゲージメントと定着に与える影響について解説します。給与だけでは得られない、真の満足感と幸福感をもたらす職場のあり方について、新たな視点を提供します。


研究者によると、平均的な人は、人生の三分の一を仕事に費やしているそうです。つまり、所属する組織と、その目的に多くの時間を投資しているわけです。そのため、組織が優れた人材惹きつけ続けるためには、単に見返りとしての給与を支払うだけでなく、「目に見えない利益」も提供することが大切です。

「目に見えない利益」とは何でしょうか。最近では、働き方の柔軟性が増し、働き手不足が顕著になってきた影響で、働く人の優先順位が変わってきています。以前は給与や休暇、住宅手当などの福利厚生が主に重視されていましたが、今では経済的な安定に加え、仕事と生活のバランス、柔軟な働き方、心理的安全性の高い職場、同僚との良好な関係による感情的な満足感など、多様な報酬が求められるようになっています。


「心の報酬」とは、金銭的な報酬以外で、例えば勤務地や働き方の柔軟性、自己啓発の補助、ポジティブな職場文化などを指します。これらは、従業員が感情的に満足し、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントを高める要素です。結果として、全体的な幸福感や仕事の満足度にもつながります。


Wiley 社は、今日の企業がどのような福利厚生を重視しているかを理解するために調査を行いました。具体的には、給与の額や組織文化、勤務地や働き方の柔軟性などがどのように重要視されているかを調べました。2,013 人を対象に、どのような福利厚生(有形と無形の両方)が提供されているか、そしてそれがどの程度ウェルビーイングやエンゲージメントに影響を与えているかを調査しました。この結果から、「心の報酬」を構成する要素についての理解を深めましょう。

ウェルビーイングの要素

全体として、職場でのウェルビーイングは、さまざまな要素で構成されており、それぞれの影響度は異なります。調査対象者たちは、働く柔軟性と経済的な補償がウェルビーイングに最も大きな影響を与える福利厚生であると報告しました。

優先事項は年齢と経験によって変化する

興味深いことに、世代別に見ると、18~24 歳の若者だけが「勤務時間の柔軟性」を「組織文化」よりも優先していました。この差は12 パーセントポイントもありました。その他の年齢層は、すべての選択肢の中で「組織文化」を最優先しており、その差はかなり大きいものでした。これは、年齢とともに優先順位が変わることを示しています。

つまり、ほとんどの世代が「組織文化」を重視する一方で、若いZ 世代は「時間の柔軟性」を重要視していることが分かります。これは、自分のライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できることを重視し、自律性や仕事と生活のバランスを求めていることを反映しているかもしれません。

逆に、大多数が「組織文化」を優先していることは、キャリアが進むにつれて、組織の文化がエンゲージメントやウェルビーイングに与える影響が高まることを示しています。また、家族が増えたり、仕事以外の責任が変わったりすることで、より良い仕事と生活のバランスを取るためのポジティブな職場文化が重要になることを示しているとも言えます。

ポジティブな文化が非金銭的報酬の中でトップ

ポジティブな組織文化は、非金銭的な報酬の中で最も重要とされ、他の選択肢よりも10ポイント高い評価を受けました。手当や自己啓発補助、交通費の支給などがある中で、ポジティブな組織文化が「心の報酬」に与える影響の大きさが示されています。

ポジティブな組織文化を最も重視する人々の多くが、会社に留まるために不可欠な要素だと感じています。このデータは、企業が従業員への投資や組織に求められる要素を見極める上で重要な指標となります。

77%の回答者がポジティブな組織文化がその組織に留まるために欠かせない要素だと考えています。

ポジティブな組織文化の形成に不可欠な、「ソフトスキル」の習得が得意な人もいれば、そうでない人もいます。EverythingDiSC®のようなソリューションを活用することで、自分自身と他者を知り、どんなボットでも代用できないスキルを身につけ、私たちを特別な存在にしている人間性を保ちながら、現代の力を活用する組織を作ることができます。

そして、人間性とは、私たちがもう少し必要としているものだということに、誰もが同意できるのではないでしょうか。

給与vs文化――文化が勝る

他よりも高い給与が仕事や生活にとって重要であることは間違いありませんが、調査に答えた73%の人々はポジティブな組織文化が重要だと感じているのに対し、27%の人々は高い給与を提供する企業で働くことが最も重要だと考えています。この驚きの結果は、健全な職場文化が従業員の全体的な幸福感に与える大きな影響を示しています。

この研究結果は、企業にとって良いニュースです。企業には自分たちの文化を改善する方法が用意されています。コミュニケーションやチーム内の協力、理解を深めるためのアセスメントや研修(例えば、Everything DiSC® やThe Five Behaviors など)を導入することができるのです。これらは、優れた組織文化を作り、価値のある「心の報酬」につながる重要な要素です。

原文:The Emotional Paycheck: Going Beyond Traditional Compensation
出典:WILEY Workplace Intelligence|Everything DiSC®(2024年3月24日公開)

WILEY Workplace Intelligence 翻訳記事一覧はこちら


HRDとWiley社のパートナーシップについて

HRDは、米国Wiley社と日本国内における独占販売契約を締結しており、同社が提供する各種アセスメントの日本語版開発および総販売代理権を保有しています。

現在、日本では主に以下の4つのアセスメントを提供しております:

  • Everything DiSC®:対人関係と行動傾向を可視化し、組織内のコミュニケーションを促進
  • ProfileXT®:職務適性を測定し、採用・配置・育成の精度を高める統合型アセスメント
  • CheckPoint 360°™:リーダーの現状と課題を多面的に捉える360度フィードバックツール
  • Organizational Alignment Survey:組織の一体感・方向性の共有度合いを測定するサーベイ

またHRDでは、Wiley社からの最新の調査レポートやグローバル動向を継続的にキャッチアップし、日本のビジネス現場に向けて発信・解説する取り組みも行っています。アセスメントの活用にとどまらず、人的資本経営・組織開発の最前線を共有し続けることが、私たちの使命の一つです。

※日本語版以外のご提供も当社にて可能です。詳しくはお問い合わせください。
※当社はWiley社より「2024 Platinum Award Winner」を獲得しています。本アワードは、全世界のパートナー企業のうち上位1%のみに贈られる名誉ある賞です。

We are proud to have received the “2024 Platinum Award” from Wiley. This prestigious honor is awarded to only the top 1% of Wiley’s partner organizations worldwide.


※本記事の著作権は米国Wiley社が保有しています。
※記事の内容、画像、図表などの無断転載・無断使用を固く禁じます。引用される場合は、出典を明記の上、適切な範囲でご使用ください。

Copyright Notice
※This article is copyrighted by John Wiley & Sons, Inc.
※Unauthorized reproduction, use, or redistribution of any part of this article—including text, images, or diagrams—is strictly prohibited. When quoting, please clearly indicate the source and ensure usage is within appropriate and fair limits.

2024年03月24日

記事をシェアする

Everything DiSC®紹介資料

本資料では、Everything DiSC®がもたらす体験や対人関係についての尺度、組織カルチャーの共通言語となる特徴についてご説明し、併せて学術的背景、DiSC®理論概要、レポート詳細、活用事例などをご紹介しています。

資料をダウンロード

企業研修、コンサルティング、
人材アセスメントの
ご依頼・お問い合わせはこちら

ご依頼・お問い合わせ 03-6777-7636

営業時間 平日 9:00 - 18:00

サービス事例や業務に役立つ資料を
ご用意しております

資料をダウンロード