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なぜ「高い成果要求」は敵ではないのか

原文:Why Higher Performance Demands Aren’t the Enemy

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「The Great Pile-On(業務の過剰集中)」以降、変化が止まらない企業環境の中で、マネジャーはどのように組織を率いるべきかという問いに直面しています。負荷の増した業務と柔軟性の低下に直面する現場チームと、組織の維持に注力する経営層との間で、そのバランスを取り続けなければならない状況です。

こうした状況に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

Wiley Workplace Intelligenceは、先月取り上げた「The Great Pile-On」を生んだ一連の変化が、従業員エンゲージメントとどのように関係しているのかを明らかにするために調査を行いました。業務量の大幅な増加や成果への要求の高まりは、エンゲージメント低下と相関するのか。また、自身も負荷を抱えるマネジャーは、この不確実な状況の中で、組織文化や士気を維持しながらどのように舵取りを行うべきなのでしょうか。

1,477名を対象とした調査の結果、成果要求とエンゲージメントの関係性について、組織の意思決定層に対する明確な示唆が得られました。厳しい環境下でもエンゲージメントを維持し、高い成果を促すための指針です。

示唆は明確で、「アラインメント(整合性)」が中核にあります。

リーダーシップのアラインメントとエンゲージメントの強い相関

リーダーシップのアラインメントが高い組織では、エンゲージメントの状態そのものが明確に異なります。チームは同じ方向に進み、優先順位は整理され、従業員は自分の仕事が組織全体の目標とどのようにつながっているかを理解しています。

このような明確さは、信頼と納得感を生み、それが自然と動機づけやコミットメントを高めます。一方で、アラインメントが弱い場合、組織のエネルギーは分散し、焦点は定まらず、エンゲージメントの維持は格段に難しくなります。さらに、矛盾したフィードバックが与えられたり、リーダーが自身の権限や専門領域を越えて介入したりすると、マイクロマネジメントの文化が生まれ、エンゲージメント低下を一層加速させます。

リーダーシップのアラインメントが高い場合、エンゲージメントが高いと感じる人は6倍以上にのぼる

リーダーシップのアラインメントは、心理的安全性を高める

リーダーの行動が、掲げている価値観や評価制度と一貫している場合、従業員はより安心して発言し、挑戦し、率直なフィードバックを共有できるようになります。この一貫性がリーダーへの信頼を育み、信頼が高まることで、ネガティブな影響を恐れずに主体的に関わろうとする意欲も高まります。

一方で、アラインメントが崩れると心理的安全性は損なわれ、十分に安心して主体的に関われると感じる従業員は大きく減少します。

心理的安全性を左右するのは、組織がどれだけ強く成果を求めるかではなく、リーダーがあらゆる階層で一貫性と透明性をもって行動し、メッセージを整合させているかどうかです。

リーダーシップのアラインメントが取れている場合、77%が高い心理的安全性を実感していると回答

心理的安全性を高める鍵は、マネジャーの余力にある

調査では、マネジャーのキャパシティ(余力)と心理的安全性の間に、強い関連があることも明らかになりました。たとえば、会議が連続して入り込み、考える余裕すらないほど忙しい状態では、マネジャーは反射的に反応してしまいがちです。その結果、意図せずメンバーの発言を抑えてしまったり、質問や弱さを見せにくい雰囲気を生み出してしまうことがあります。

一方で、マネジャーに十分な時間、ツール、支援がある場合、より落ち着いて一貫性のある対応ができるようになります。その安定した関わりが、従業員が安心して発言し、質問し、アイデアを共有できる環境をつくり出し、結果として心理的安全性の向上につながります。

余力のあるマネジャーのもとでは、84%が高い心理的安全性を感じていると回答

成果要求の強さそのものが、エンゲージメントを下げるわけではない

今回の調査から明らかになったのは、成果要求の強度そのものがエンゲージメントを低下させるわけではないということです。業務量の増加や期待値の高さが、過度な負荷を生み、結果としてエンゲージメント低下につながると考えがちですが、実際にはエンゲージメントとの関連が強いのは、アラインメント(整合性)、心理的安全性、そしてキャパシティ(余力)でした。これらはいずれも、リーダーが働きかけによってコントロールできる要素です。

メッセージは明確で、高い期待そのものが問題なのではありません。
問題は、整合性の欠如と過負荷です。これらがパフォーマンスを不安定にし、従業員体験を損なっていくのです。

エンゲージメントを維持するためのリーダーへの提言

調査データから、急激な変化の中にあっても高い成果を維持しながらエンゲージメントを高めるために、組織が取るべき大きなアクションが2つあることが示されています。

・アラインメント(整合性)を強化する

評価制度、インセンティブ、メッセージ、価値観が、組織全体で一貫して機能するように設計し、あらゆる階層のリーダー間で整合性を確保すること。

・マネジャーを安定させる

マネジャーが成果への期待とメンバー支援の両立を図れるよう、十分な時間、明確さ、そしてツールを提供すること。
また、思考の余白を確保するために、意図的にスケジュールに空白の時間を設けることを推奨する。これにより、心理的安全性の向上にもつながる。

アラインメントとキャパシティ(余力)が高まることで、マネジャーはより適切にメンバーを支えるための余地を持てるようになります。その結果、エンゲージメントは「The Great Pile-On」の影響を超えて持続するものとなります。

原文:Why Higher Performance Demands Aren’t the Enemy
執筆: Janelle Beck, Senior Copy Editor & Tracey Carney EdD, Research Manager
出典:WILEY Workplace Intelligence|Everything DiSC®(2026年3月20日公開)

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2026年03月25日

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