
「人間関係」こそ、デジタル時代に成功するための重要な秘密
原文:Human Connection: The Crucial Secret to Thriving in the Digital Age
かつて「雑談」は、働く日常に自然と存在していました。しかし、リモートワークやAIの普及が進む中で、仕事の多くが“効率的”になった一方、「人と人とのつながり」は見えにくくなっています。
それでも、私たちは職場に“誰かとのつながり”を求めています。なぜなら、人間関係こそがチームの原動力であり、働く意味や満足感の源だからです。
Everything DiSC®の開発元であるWiley社は、デジタル時代における“職場のつながり”に注目し、2,000人以上を対象に調査を実施。その結果は明らかでした――多くの人が、テクノロジーがどれだけ進化しても、職場での人間関係を大切にし、支えにしているのです。
本記事では、調査データとともに、つながりがもたらす影響や、リモート・ハイブリッド環境でも信頼関係を育むためのヒントをご紹介します。
ビジネスの世界では、ますます人とのつながりが薄れていると言えるでしょう。ハイブリッドやリモートワークが増え、AI が普及する中で、対面でのやり取りが減少し、多くの人がチャットボットなどの自動化されたテクノロジーに日常業務を任せています。そのため、仕事仲間とのつながりや交友関係が減っていると感じるのは自然なことです。
Everything DiSC®アセスメントの開発元であるWiley 社は、急速に変化し、技術が進化する仕事の世界で、人々が同僚とのつながりを感じているかどうかに着目しました。人々はつながりを求めており、それがメンタルヘルスにどんな影響を与えるのか、そして企業で働き続けること、離職率にどのような影響を与えるのかを調査しました。
Wiley 社は、デジタル時代における「つながり」について理解を深めるため、一般社員から経営幹部まで2,008 人を調査しました。その結果得られた職場での人間関係に関する洞察を共有します。
デジタル分断にもかかわらず、人々は職場でつながりを感じている
調査結果では、回答者の78%が同僚とのつながりを感じていると答えました。これは、テクノロジーが進化しても人間関係が職場体験の重要な部分であり続けていることを示しています。テクノロジーはコミュニケーションや共同作業を容易にしますが、人間同士の交流や友情が生む親密さを完全に置き換えることはできません。
職場でのつながりの状態に関する調査




回答者の多くが職場内の同僚とつながりを感じているだけでなく、69%の人々がそのつながりを楽しんでいると答えました。デジタルツールを使ってコミュニケーションやコラボレーションを行っているにもかかわらず、人々は依然として個人的なつながりを重視し、優先しています。
つながりは、チームワークの強化を通じて組織の成果を達成するために重要です。それだけでなく、経験を共有し、互いにサポートし、達成した成果を共に喜ぶといった社会的な利益もあります。人とのつながりは、ハイブリッドやリモートで働くチームでもテクノロジーの障壁を超えて帰属意識を育むものです。
さらに、効果的なチームを作るには、信頼、共感、相互理解の基盤を築く必要があります。これらは、テクノロジーを通じて体験することもできますが、対面での交流には敵いません。テクノロジーがリモートワークや仮想コラボレーションを可能にする一方で、最終的に絆を強化し、チームワークを向上させるのは直接的な人間同士の関わり合いです。
職場での友情が離職率に与える影響
つながりがチームワークや生産性にとって重要な要素であることはすでに確認されていますが、職場での友情はどのような影響を与えるのでしょうか?日々の業務における形式的な挨拶を超えて、職場で真の友情を築くことは、ウェルビーイングやメンタルヘルスから離職率に至るまで、さまざまな要素に影響を及ぼします。
調査回答者の59%は、職場に友人がいないことが会社に留まるかどうかを決定する要因であると答えました。職場で友情を築くことの利点は数多くあり、その一つにサポートの増加があります。意味のあるつながりがあると、仕事生活の不可避なストレスに対処するためのサポートネットワークがより強化されます。

職場でのつながりがメンタルヘルスを改善する
職場での友情がメンタルヘルスに与える影響についても注目することが重要です。職場で真の友情があると、挑戦的な時期にサポートネットワークとして機能し、帰属意識を提供し、共有された経験と理解を通じてストレスを軽減することができます。誰もが思っていた以上に難しい仕事に取り組んだ経験があるでしょう。その経験を昼食時や短い電話で職場の友人と共有できるのはとても素晴らしいことです。
さらに、職場に友人がいると、仕事の満足度が向上します。前向きな社会的交流は良好な組織文化を形成し、職場全体の楽しさを増すことにつながります。
組織内のつながりを育む
特にハイブリッドやリモート環境では、職場でのつながりを改善するためにどこから始めればよいか分からないことがあります。昔は、飲み会をしてみんなを集め、懇親を深めるのは簡単でしたが、それをデジタル時代にどう適応させるのでしょうか?
そのような「強制的な社交」は、実行方法によっては仕事生活の一部として不満を引き起こすこともありますが、回答者の半数は実際にチームビルディング活動を通じて同僚について心から知りたいと報告しています。

従来の飲み会のような交流とは異なるかもしれませんが、信頼を築くチームビルディング活動に投資するという、職場でのつながりと真の友情の基盤を育むいまの時代なりの方法が存在します。
例えば、チーム内の有志活動やグループランチは業務時間中につながるための素晴らしい方法ですが、これは同じ場所にいる場合にのみ効果があります。リモートチームの場合、ラポールを築くためにより意図的な時間と努力を必要とすることがありますが、Everything DiSC®を通じた学習体験は、社員が自分自身や他者についてもっと学ぶための意義深い機会を提供し、信頼、コミットメント、そして結束を築くことができます。
共通の経験を通じて作られる絆を育むための時間を取ることは、いつの時代も良い投資となるでしょう。チームチャットや個人的なストーリーをバーチャル会議中に共有する時間を作ったり、オフサイトランチを企画したり、ファシリテーション学習体験に参加したりすることで、職場でのつながりを育むことは、精神衛生の向上、離職率の低下、そして最終的には収益の改善につながるでしょう。
原文:Human Connection: The Crucial Secret to Thriving in the Digital Age
出典:WILEY Workplace Intelligence|Everything DiSC®(2024年5月24日公開)
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HRDは、米国Wiley社と日本国内における独占販売契約を締結しており、同社が提供する各種アセスメントの日本語版開発および総販売代理権を保有しています。
現在、日本では主に以下の4つのアセスメントを提供しております:
- Everything DiSC®:対人関係と行動傾向を可視化し、組織内のコミュニケーションを促進
- ProfileXT®:職務適性を測定し、採用・配置・育成の精度を高める統合型アセスメント
- CheckPoint 360°™:リーダーの現状と課題を多面的に捉える360度フィードバックツール
- Organizational Alignment Survey:組織の一体感・方向性の共有度合いを測定するサーベイ
またHRDでは、Wiley社からの最新の調査レポートやグローバル動向を継続的にキャッチアップし、日本のビジネス現場に向けて発信・解説する取り組みも行っています。アセスメントの活用にとどまらず、人的資本経営・組織開発の最前線を共有し続けることが、私たちの使命の一つです。
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2024年05月24日

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