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人がつくる力:人間的スキルが高い成果を生む理由

原文:The Power of People: How Human Skills Drive High Performance

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2025年の職場は、2020年の職場とは驚くほど様変わりしています。
そして2020年も、2015年と比べれば大きく変化していました。

思い返せば、2010年代の「アナログさ」は印象的です。インターネットもメールもありましたが、いま私たちが日常的に使う“光の速さ”でやりとりできるコラボレーションツールは、当時の人々には想像もつかないものでした。匿名性の高いオフィスビルの奥、小さな仕切りブースで番号をダイヤルし、会議に参加していた――そんな時代です。

Wiley Workplace Intelligenceでは、1,511名を対象に、現在の“未来的な働き方(The Jetsons)” において「高いパフォーマンスとは何か」を調査しました。経済環境が厳しさを増す中、成果を出すためにAIの活用が半ば必須になりつつある今、人々は改めて「高いパフォーマンスとは何に支えられているのか」を考えています。

調査から見えてきたのは、日常的に使うテクノロジーは飛躍的に進化したにも関わらず、仕事を意味あるものにする核心部分は、アナログ時代から大きく変わっていないという事実です。
2025年のエンゲージメントとパフォーマンスを支えているのは、効果的なリーダーシップ感情知性、そして心理的安全性でした。

心理的安全性の優位性

高いパフォーマンスを発揮するチームづくりにおいて、心理的安全性は最も重要な要因のひとつです。 新しい概念ではありませんが、今回のデータはその重要性を改めて裏付けました。

「安心して発言できる」「アイデアを共有できる」「懸念を率直に伝えられる」と強く同意した従業員は、強く不同意の従業員に比べ、高い成果を上げるチームに属する確率が31%高いという結果でした。

心理的に安全だと感じている人は、自分は高いパフォーマンスを発揮できていると答える割合が31%高い

これは決して小さな差ではありません。 パフォーマンスは、組織の“関係性の質(relational climate)”と密接に結びついています。心理的に安全であれば、人は積極的に貢献し、建設的に意見を交わし、チームの目標により深く関わります。逆に安全性が欠ければ、優秀な人材であっても本来の力を発揮できません。

リーダーや組織が得るべき示唆は明確です。
心理的安全性は自然には育たない。意図的に育成しなければ、パフォーマンスの潜在力は開花しないのです

リーダーシップと感情知性:人を動かすカタリスト

テクノロジーやワークフロー、組織構造も重要ですが、今回の調査で最も強力な要因として示されたのは、 効果的なリーダーシップ(90%)感情知性(83%)でした。

ハイパフォーマンスの主な要因(トップ2)

効果的なリーダーシップ

感情知性(Emotional Intelligence)

これらは、相互に作用します。
効果的なリーダーは信頼を築き、共感を示し、メンバーが力を発揮できる環境を整えます。感情知性は、そのリーダーシップを支える基盤です。緊張や葛藤への対処、積極的傾聴、変化への適応――いずれも感情知性によって支えられています。

多くのケースで、リーダーシップと感情知性は、心理的安全性をつくり出す“起点”となります。

自身の言動がチームの士気にどう影響するかを捉えられなければ、善意があっても信頼を損ねてしまいます。一方、感情知性の高いリーダーは、メンバーが「聞いてもらえた」「価値を認められている」と感じられる環境をつくり、プレッシャー下でも粘り強く成果を出せるチームを育てます。

そして重要なのは、これらが先天的な資質ではないということです。
リーダーシップも感情知性も、育成・コーチング・測定が可能なスキルなのです。

リモートワークに関する認識のギャップ

今回の調査で特に興味深かったのは、リモートワークがパフォーマンスに与える影響に対する認識と、実際の成果との間にギャップが存在していた点です。

21.6%の回答者は「リモートワークは、高い成果を上げるチームづくりに悪影響を与える」と考えていました。しかし実際には、リモート・在宅で働く人の85%が“自分は高パフォーマンスのチームに属している”と回答。これはオフィス勤務者(79%)を上回る結果でした。

リモートで働く人たちの85%が、 “自分は高パフォーマンスのチームに属している” と回答

こうした認識のズレは、「協働や結束は対面のオフィスでこそ築かれる」という前提によるものかもしれません。しかし適切にリードされ、十分に支援されたリモートワーク環境では、高い成果を上げられるだけでなく、オフィス中心の働き方を上回ることすらあります。

重要なのは、リモートが“優れている”という話ではありません。

柔軟な働き方が、優秀な人材を惹きつけるのは事実ですが、今回のデータが示す本質は、「どこで働くか」よりも「どのように協働するか」が成果を左右するという点です。

リモート環境で高い成果が生まれる背景には、

  • 明確なコミュニケーション
  • 意図的な信頼構築
  • “そこにいること” ではなく“成果”に焦点を当てる姿勢

といった実践があります。

ハイブリッド環境で組織運営を行う企業にとって、これは過去の前提や慣習を見直し、感覚や懐古主義ではなく、データに基づいて意思決定すべきだという重要な示唆でもあります。

高い成果を上げるチームをつくるには

高い成果を上げるチームを特徴づける要素は、抽象的な理想論ではありません。

外部環境がどれほど変化しても価値を失わず、長い時間をかけて実証されてきた「意味のある仕事」と「健全な組織」に共通する実践です。つまり、高い成果は特別な偶然ではなく、実行可能なマネジメント戦略です。

ツールや業務効率だけに寄りかかるのではなく、視点を「人と人の相互作用」に向ける必要があります。プレッシャー下でどのようにリードし、関係を築き、コミュニケーションを取るのか——。

こうした“人間同士の相互作用の質”こそが、組織の成功やエンゲージメント、そして高い成果の構造的な土台となります。適切に機能すれば、他のどのシステムやプロセスとも同じように、確かな成果をもたらします。

高い成果を上げるチームをつくるために、組織ができること

  • 感情知性(Emotional Intelligence)を重視したリーダーシップ開発に投資する
  • 明確な行動規範、インクルーシブな対話、模範的な自己開示を通じて心理的安全性を育む
  • メンバーの貢献を認識し、適切に強化することで、“成果だけではなく、価値ある存在として扱われている” と感じられるようにする

高い成果を上げるチームは偶然生まれるものではありません。
意図をもって育成されるものです。
そして、もっとも強い組織は、この育成を“戦略的な優先事項”として扱っています。

原文:The Power of People: How Human Skills Drive High Performance
執筆: Janelle Beck, Senior Copy Editor & Tracey Carney EdD, Research Manager
出典:WILEY Workplace Intelligence|Everything DiSC®(2025年11月14日公開)

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2025年11月28日

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